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革をさらに楽しむために。世界の名門タンナー!

世界的に有名な革製品を作るブランドがあるように、その素材である革を加工・製造している“タンナー”にも有名で素晴らしいメーカーがいくつも存在します。

革製品はタンナーの技術により大きく仕上がりが違ってくるため、ブランドだけでなくどのタンナーが作った革を使っているのかということも、アイテムを選ぶ上で大きなポイントとなってきます。

タンナーを知ることは革をより深く知ることに繋がり、革の楽しみ方がさらに広がることでしょう。

◯タンナーとは

皮を鞣して革にするのがタンナーの仕事です。

動物の「皮」はそのままでは鞄や財布にすることはできないため、製品として使える「革」に生まれ変わらせる必要があります。この工程を鞣す=Tan(タン)と言い、革を鞣す人のことをTanner(タンナー)と呼びます。

タンナーによって革の仕上がりや特徴が大きく変わるため、製革工程の中でも非常に重要な役割を持っています。

◯世界の有名タンナー

人と革の歴史は古く、その始まりは約200万年前までさかのぼると言われています。

中でもヨーロッパや北米には伝統的な製法を守りながら良質な革を作り続けている優れたタンナーが現在も数多く存在しています。

今回は、世界で有名な名門タンナーと代表的な革をご紹介します。

【ホーウィン社(アメリカ)】

1905年にアメリカのシカゴで創業されたアメリカの有名老舗タンナー。肌とも見間違えるような美しい革を作り出しています。「クロムエクセルレザー」と「シェルコードバン」が有名で、特にシェルコードバンは “革のダイヤモンド”とも言われる程美しいと言われています。

【ペリンガー社(ドイツ)】

1864年よりボックスカーフを中心とした革の製作を続けている、ドイツが誇る名門老舗タンナー。クロム鞣しのシュリンクレザーでは世界最高峰の革とも評される「シュランケンカーフ」が有名で、多くの高級メゾンがペリンガー社の革を採用しています。生後6か月以内のカーフスキンを使用し、美しいシボとしなやかでコシのある独特な手触りが特徴的な革です。

【アルラン社(フランス)】

1903年にフランス南部マザメで創業された高級老舗タンナー。世界トップクラスの品質のゴートレザーを生み出しており、最高峰のタンナーとも評されています。
美しい発色と細やかなシボが魅力の「シェーブル 」が有名で、世界中の高級メゾンで数多く使用されています。薄く加工しても革が弱くならないため上質な革小物が仕上がり、世界中で愛され続けています。

【デュプイ社(フランス)】

フレンチカーフの代名詞的存在として知られており、「デュプイといえばフランス、フランスといえばデュプイ」と言われるほどの地位を確立しています。
中でも「トゴ」はカーフならではのきめ細かく深いシボが特徴的で、世界の高級メゾンで使用されています。上質で高級感のある出立がフォーマルにもカジュアルにも合わせやすく、バッグや財布などの小物類に幅広く使用されています。

【バダラッシカルロ社(イタリア)】

世界三大レザーの一つ「イタリアンレザー」を作り出し、イタリア革産業の発展を支えてきた世界的タンナー。1967年にイタリアのフィレンツェで創業しました。
手間がかかりすぎるという理由により衰退しつつあったトスカーナ地方に伝わる伝統製法「バケッタ製法」を蘇らせ、上質な革を提供し続けています。1000年前から伝わる伝統的な製法をそのまま復活させて出来上がった「ミネルバボックス」が有名で、バケッタ製法特有の美しいエイジングが特徴的です。使い込むうちに艶っぽく色が深まり、革の表情も質感も柔らかくなる世界的に人気のレザーです。
使い込むうちに艶っぽく色が深まり、革の表情も質感も柔らかくなる世界的に人気のレザーです。

【ワルピエ社(イタリア)】

イタリアのトスカーナ地方にあるポンテ・ア・エゴラで1974年に創業された老舗タンナー。植物由来の100%タンニンを使い、手間隙かけてじっくり行われる伝統的な鞣し製法を確立し、小規模ながら高級皮革を数多く輩出しています。
植物タンニンのみでなめされた革は繊維密度が高く、しなやかなハリとコシが特徴的です。
中でも“牛革の王様”とも呼ばれる「ブッテーロ」が有名で、イタリア特有の美しい発色を持ちながら革本来の風合いもしっかりと残されている人気のレザーです。使い込むほどに艶が増し、美しい経年変化が楽しめます。

【トーマスウエア&サンズ社(イギリス)】

1840年に設立されたイギリスの老舗タンナー。イギリスには数少ない大規模タンナーで、敷地の面積は約6,000坪を誇ります。
時間と手間がかかる伝統的なベジタブルタンニン鞣しによる「ブライドルレザー」は世界最高峰と称される品質。植物由来のタンニンを内部まで深く浸透させることで、厚く丈夫でコシが強い革に仕上がります。
使い込むほどに艶が深まり、ブライドルレザーの醍醐味を充分に味わえます。

◯まとめ

世界にはまだまだ高い技術を持った名門タンナーが数多く存在しています。

タンナーは革製品を作る上で無くてはならない存在であり、非常に重要な役割を担っています。

これから革製品を購入される際には、その革のタンナーを調べてみてはいかがでしょうか。革について深く知ることで、あなたの革製品がさらに愛おしくなること間違いなしです。