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ヨーロッパ製の革と日本製の革の違いとは?

革の本場というとヨーロッパをイメージする方が多いかもしれませんが、国によって革の特徴は様々。具体的に、ヨーロパで作られる革と日本で作られる革はどのように違うのでしょうか。
今回はヨーロッパ製の革と日本製の革の違いについてご紹介します。

目次

◯ヨーロッパの革事情

日本とヨーロッパの革の違いを知るために、まずヨーロッパの革事情をのぞいてみましょう。

・イタリア

まずは革大国イタリア。世界三大レザーと言われる「イタリアンレザー」は世界中の革好きから愛されています。イタリアではルネサンス時代に革の加工技術が普及し、この頃イにタリアンレザーの代名詞ともいえる「バケッタ製法」が誕生しました。作り出される革は発色の良さもさることながら、非常に上質で、今でもその伝統製法が守り続けています。

・フランス

数多くの高級メゾンの発祥地であるフランス。染料の後に顔料を塗るというフランス独自の製法により発色が良いことが特徴です。中世以降は多くの戦いの舞台になったこともあり、革は武具や馬具などの道具をはじめ日用品にまで広く使われるようになったため、加工の技術も成長していきました。現在では有名なタンナーも多数あり、上質な革が集まっています。

・イギリス

イギリスの革の歴史は乗馬に使われる鞍が始まりとされています。革にロウをしみ込ませて作られたブライドルレザーが有名で、耐久性があり丈夫な革の加工に長けています。有名な紳士靴ブランドが多いのも特徴です。伝統を重んじた独自の技術を持つ老舗タンナーも多数存在していると言われています。

・ドイツ

18世紀にギルド(職業組合)に認められることとなった皮革産業は、その後大きく発展していきました。ドイツは化学薬品の先進国で、革を加工する際に使用される薬品の研究も進んでおり、鞣しや染色の技術も秀でています。特に「ドイツカーフ」は有名で、上質で高級であるとされています。

◯日本の革事情

次に日本の革事情を見ていきましょう。日本にはヨーロッパとは一味違う、日本ならではの革文化が存在しています。

日本の革の歴史は1500年前まで遡ります。加工技術の多くが飛鳥時代以前に大陸から渡来した、「熟皮高麗(おしかわこま)」「狛部(こまべ)」と呼ばれる工人たちによって伝えられ、播州姫路地方で革の鞣し作業が盛んに行われるようになりました。その後、各地で革の加工がされるようになり、それぞれの地域の気候や風土に合った方法で発展しています。

・北海道

アイヌ文化が栄えていた北海道では、アザラシなどの獣皮や鮭など魚の皮を鞣して日用品として使っていました。現在は、害獣とされているエゾシカの革を活用した革製品の製造が広がっています。

・関東

関東平野に大きな川が流れているため、東京、埼玉、栃木は革の鞣しに適した地域として発展してきました。特に東京では墨田川、荒川周辺に豚革を扱う工場が集積しており、革の加工業者もたくさん集まっています。浅草界隈では昔から袋物の製造が盛んに行われており、靴やベルトといった革小物の工場が多く点在しています。

・中部

鹿革に模様を付けた甲州印伝が有名です。江戸時代にインド装飾革を国産化したものが起源と言われており、古くから愛されてきました。今でもその技法は守り伝えられており、現在ではバッグなどに使われ海外にも輸出されています。

・近畿

革の歴史は古く、奈良時代以前より行われていたと言われています。特に兵庫県の姫路周辺は有名で、現在では国内の約7割のシェアを占める一大拠点として全国でも有数の規模を誇っています。
薬品を使わずに、水、塩、菜種油のみで皮を鞣す「白鞣し」は姫路を代表する革の一つで、1000年以上姫路で継承されてきました。しかし、明治以降タンニンやクロムなどを使った鞣し技術が海外から広まると、白鞣しは次第に衰退していきました。このように一時は絶滅の危機にあったこの技術ですが、最近では少しずつ復活しており、その魅力が再認識されつつあります。

・中国・四国

革手袋や野球のグローブの生産が盛んで、特に香川県東かがわ市では日本の革手袋の90%以上が生産されています。1888年、東かがわに住んでいた住職と女性が大阪へと移り住み、そこで生計を立てるために行っていた手袋製造が始まりだと言われています。野球やゴルフをはじめとする一流のスポーツ選手が使用するグローブが多く作られていることでも有名です。

・九州

日本開史以来、外国からの玄関口となってきた九州には様々な技術が続々と流入し、初めて革の技法が伝わった地と言われています。中心となった北九州市は、女性用履物の製造の産地として有名です。また馬肉でも知られている熊本は、馬革の原料となる馬の産地としても知られています。

◯ヨーロッパ製の革と日本製の革の違いとは?

革製品の製造は世界各地で行われていますが、とりわけヨーロッパの革文化は日本より古く、昔からの伝統技術や独自の製法が現代でも守り続けられています。

またヨーロッパでは古くからファッションとしての用途がしっかりと確立していたため、染色や風合いなどの加工技術が優れています。そのため、きれいな革が取れるよう牛を飼育する段階から丁寧に隔離して育てられるなど、工夫がなされているのが特徴です。

一方で、日本で鞣される革は主にアメリカの原皮が用いられることが多く、それを国内で鞣しています。アメリカの牛は肉をとることを重視して飼育された牛がほとんどのため、キズやしわのあるものも多く、その原皮はワイルドで荒々しいといった特徴があります。

◯まとめ

同じ革の加工でも歴史的背景や文化の違い、また気候や風土などにより各国で生産される革の特徴は異なります。どこの革がいいということは無いので、好みの革を探すのも革の楽しみ方の一つと言えます。いろいろな革を見比べて、ぜひ自分好みの革を見つけてみてくださいね。