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世界の皮革産業の歴史

バッグや財布、ジャケットなど、私たち人間の生活には欠かせない革製品の数々。その歴史は古く、始まりは約200万年前までさかのぼると言われています。
そんな人間にとって切っても切れない重要な存在である革製品が、どのようにして今のような巨大産業へと発展していったのでしょうか。

今回は、世界の皮革産業の歴史についてご紹介します。

◯皮革の歴史

・革のはじまり

私たち人間は新石器時代以降、寒さをしのぐために動物の皮を防寒用や居住用テント、その他にも生活用品として利用してきました。
世界で初めて皮革加工用の道具を使ったのは、ネアンデルタール人であると言われており、彼らの遺跡からは皮革加工用の石器も発見されています。その後、革の加工技術はいろいろな地域へと伝わり、叩いて、揉んで、燻すといった「鞣し」の技法に発展していきます。
紀元前600年頃には地中海沿岸近辺で植物性タンニンを使用した「タンニン鞣し」が生まれ、それから様々な鞣し技術が開発されていきました。
その後、長持ちする丈夫な革ができるようになると、色々なものが作られるようになります。革の用途と重要性は次第に増加していき、それらは貿易のための重要な商品となりました。

・中世ヨーロッパの皮革産業とギルド

中世に入るとさらに革の人気はさらに増していきます。そんな中、スペインでは高い皮革製造技術を持ったムーア人が皮革産業の発展に貢献しており、コルドバは世界的にも有名な革の産地となっていました。しかし、スペインにおける宗教的な抑圧によってムーア人革職人の国外移動をもたらし、それによりヨーロッパの各地で上質の革が生産されるようになりました。その後イギリスやフランスでは皮革ギルドが形成され、大きな皮革市場ができます。皮革産業は躍進を遂げ、皮革業の地位はギルドなどによって守られるようになっていきました。
ドイツでは大量の皮革製品を必要とする軍需物資の需要が高まり、毛皮や靴の交易によって大きな利益がもたらされました。皮革産業において後発組であったドイツでも18 世紀以降皮革業のギルドが認められ、皮鞣しや皮剥ぎ職人の社会的地位も確立していきます。

・近世ヨーロッパの皮革産業

18世紀に産業革命が起こると至る所で機械化へと変化していき、小規模の手工業だった製革業も機械化により近代化が進んでいきます。またギルド制度が消滅し、機械化による大量生産方式へと移行していきました。
さらに関税の廃止と自由貿易の開始に伴い、南米をはじめとした外国からの原皮の輸入、そして革製品の輸出が拡大し、皮革産業はますます発展していきました。

・鞣し剤の開発

鞣し剤の需要も高まり、無機物のクロムや鉄、有機物の合成タンニンやなどの研究が進められるようになりました。鉄鞣しは比較的早くから研究されていましたが、品質があまり良くなかったため普及するにはいたりませんでした。
現在では革の鞣し剤として主流となっているクロム鞣しは、19世紀末にアメリカで開発され、その後世界中へと広がっていきます。産業革命以降、欧米では近代化とともに新しい革のなめし方法が開発されるようになり、その結果できたのが「クロム鞣し」です。クロム鞣しは1858年、ドイツのナップ氏により発見されましたが、この時点ではまだ使用できるようなものではありませんでした。その後、1884年にアメリカのシュルツ氏によってクロム鞣し方法が確立されたのです。
クロム鞣しで生産された革は植物タンニン鞣しの革に比べて耐久性があり、染色性も高いという特徴がありました。また植物タンニン鞣しが完成までに1年から2年を要するのに対し、クロム鞣しは1日から2日で大量の革を鞣すことが出来るため、鞣製時間の短縮及び製作コストの低減が実現しました。
このクロム鞣しの発明により革製品の大量生産ができるようになり、私たちはさらに皮革製品を身近なものとして利用できるようになりました。

◯まとめ

人類は古代より革を利用して生活してきました。より効率よく活用するため様々な工夫を重ねながら発展を続け、中世に入るとその実用性の高さから幅広い製品が作られるようになりました。ヨーロッパではギルドが形成されその地位が確立されるようになり、皮革産業は拡大していきました。さらに産業革命による機械化が進んだことにより製革業は一気に巨大産業となり、現在では私たちの生活に欠かせない重要な存在となりました。 革がどのようにして始まり、どのように発展してきたのかを知ることで、より革製品に対する愛着がわいてきます。またその歴史の長さに感慨深さを感じるのではないでしょうか。革製品を選ぶ際は、革が歩んできた歴史についてもぜひ目を向けてみてくださいね。