
ビジネスバッグをオーダーメイドする際のポイント

自分好みのバッグはオーダーメイドする時代に
仕事のパートナーとも言える「ビジネスバッグ」。毎日持ち歩くものだからこそ、自分のスタイルやニーズにぴったり合った一品を選びたい──そう考えるビジネスパーソンが増えています。
既製のブランドバッグももちろん魅力的ですが、ライフスタイルによって持ち歩く物は人それぞれ。だからこそ、その人だけのために設計される「オーダーメイド(フルオーダー/ビスポーク)」という選択肢があります。
Livelty TOKYOは、2019年に中目黒で誕生したオーダーメイド専門ブランドです。在庫を持たず、すべて受注生産で運営している稀有なブランドとして、お客様一人ひとりの理想を形にしています。
この記事では、Livelty TOKYOだからこそお伝えできる「ビジネスバッグをオーダーメイドで作る際のポイントや注意点、オーダーの流れ」を詳しく解説します。特に、ビジネスの幅が広がる30代以上の方に向けて、長く愛用できる“相棒”を選ぶためのヒントになれば幸いです。


[オーダーの内容]
ヴォー・スイフトで仕立てた機内持ち込みサイズの大型トートバッグ
[お客様のご要望]
お客様ご自身でデザインをしたバッグを、柔らかく、肌触りのよいレザーで仕立てたいというご要望でした。アメリカ在住のお客様でしたのでオンラインでの打ち合わせを重ね、出来上がりイメージの齟齬が無いように仕様書を作成し入念にすり合わせをさせて頂きました。
ラグジュアリーブランドで使われるヴォー・スイフト(カーフレザー)は柔らかく、肌触りの良い質感が特徴でお客様の好みにぴったり。
出張の際の機内持ち込みができるサイズながら、パーカーなど上着を余裕を持って持ち運びたいということで、横幅440mm×高さ305mm×マチ240mmと大型のトートバッグになっています。


[オーダーの内容]
バッファロー(水牛)レザーを使ったワイルドかつ品のあるクラッチバッグ
[お客様のご要望]
お客様のこだわりが詰まったオーダーメイド。ボールペンは2本、カードは4枚、スマートフォンと車の鍵。お客様が毎日持ち歩くアイテムを一つ一つ専用のポケットに収納できるクラッチバッグをお仕立て致しました。内装中央に大きな切れ込みをあしらいましたが、こちらは新聞専用の収納ポケット。2つ折りがピッタリ入るサイズになっています。
このオーダーで一番目をひくのがイタリアから直輸入したダイヤルロック。ダレスバッグに使うような金具をあえてクラッチバッグに使ってみました。
ブランドバッグだけでは物足りない──自分好みのビジネスバッグをオーダーする理由
フルオーダーメイドでは、お客様が描くデザインや用途の明確さがとても重要です。自由度が高い分、方向性が定まらないまま進めてしまうと、高い費用をかけても満足できる仕上がりにならないことがあります。ここでは、事前に押さえておきたいポイントを整理します。
1. デザインの方向性をあらかじめ決めておく
フルオーダーメイドは「お客様の理想を形にするサービス」であり、「デザインをすべてお任せできるサービス」ではありません。目指すデザインの方向性が具体的であればあるほど、“好き”が明確に形になります。
世の中に流通している多くの製品は、デザイナーが試作を重ね、時間とコストをかけて作り上げたものです。フルオーダーメイドも商品開発に近いプロセスを短期間で行うため、高い技術と経験が求められます。
熟練職人がデザイン面を含めてサポートしますが、お客様自身の中に明確なイメージがあるほど、満足度の高い仕上がりになります。
2. 用途とコンセプトを明確にする
「このバッグを使って、どんな生活を送りたいか?」「何を入れて、どこに持ち歩くのか?」――これを整理することが最初のステップです。
「革が好きだからオールレザーで作りたい」という声も多くありますが、オールレザーは重くなりがちです。PCや資料を日常的に持ち運ぶ方には、軽量性とのバランスを取ることが重要です。
バッグは“持ち運ぶための道具”。見た目だけでなく、使い続けられる設計こそが本当の価値です。どのようなシーンで、何を収納するか。デザインと機能性のバランスを考え、オーダーの目的を明確にすることが、長く愛用できるバッグづくりの秘訣です。
3. 仕様(サイズ・収納・機能性・素材)を明確にする
サイズを決める際は「内装 → 外装 → 内装」の順で考えます。
①内装:収納したいアイテムをリストアップ
MacBook Pro 13inch、iPad mini、ペンケース、手帳、モンブランのペン2本、名刺入れ、スマホ、A4ノート、A4資料
②外装:持ち運びたいバッグの大きさを縦・横・マチ幅で設定
定規で想像すると大きくなりがちなので、実際のバッグを参考にサイズ感を掴むのがおすすめです。バッグにおける1cmの差は、全体で10〜15%のサイズ感の違いにつながります。
③内装:内部収納を見直し
外装サイズが決まったら、内部収納を見直します。すべてのアイテムに専用ポケットを作る必要はありませんが、どうしても固定したい収納があれば最初に指定しておきましょう。
納期と予算について
フルオーダーメイドでバッグを製作できる店舗は限られています。製品開発と同様の工程を一度の受注で成功させる必要があるため、高度な技術と知識が不可欠だからです。
一般的なアパレル開発では、シーズンごとに半年程度かけて商品を投入します。パターン設計、資材仕入れ、試作などの工程を踏むため、オーダーから納品まで半年ほどかかるのが通常です。
しかし、Livelty TOKYOは受注生産特化のブランドとして、DXを取り入れ工程を徹底的に効率化。フルオーダーでも約2ヶ月で納品が可能です。
価格は素材・大きさ・仕様の複雑さによって変動します。
ポーチ: 5〜10万円前後
ショルダーバッグ: 10〜15万円前後
ビジネスバッグ: 30〜40万円前後
費用の多くは試作費に充てられます。試作を省くと安価になりますが、満足のいく品質に達しない可能性があるため注意が必要です。
よりリーズナブルにオーダーしたい場合は、カスタムオーダー(パターンオーダー)を検討するのも一案です。フルオーダーの半額程度で依頼できる場合もあります。
フルオーダーメイドの流れ
1. ブランド・店舗を探す
価格だけでなく、試作工程をしっかり踏んでいるか、納品後のメンテナンスにも対応できるかを確認しましょう。信頼できる店舗を選ぶことが何より大切です。
2. 初回打ち合わせ(ヒアリング)
オーダー成功の鍵は、完成イメージをどれだけ明確にできるかです。打ち合わせでは、デザインの方向性や使用用途などを丁寧にヒアリングし、概算見積もりを提示します。内容に問題がなければ次の工程へ進みます。
3. 仕様の決定と正式見積もり
外装(デザイン・素材・カラー)と内装(収納・機能性)を確定し、素材が決定した時点で正式見積もりを提示します。
4. 決済・正式注文
受注生産のため前払い制が基本です。仕様書を確認のうえ、入金をもって正式注文となります。注文後のキャンセルは原則できませんので、納得できるまで店舗とすり合わせましょう。
5. 手仕事による製造
バッグの縫製はすべて職人による手仕事です。天然素材のため個体差があり、仕上がりは職人の技術に左右されます。価格より品質を重視して選ぶことがポイントです。
6. 納品・アフターメンテナンス
一般的には半年〜1年、Livelty TOKYOでは約2ヶ月で納品可能です。革製品はメンテナンスが重要なため、保護クリームやオイルを定期的に塗布して状態を保ちましょう。
糸のほつれやコバの剥がれなど、経年劣化は避けられません。アフターメンテナンスを実施してくれる店舗かどうかも確認しておくことをおすすめします。
Livelty TOKYOで受けた過去のオーダーメイド事例
まとめ
ビジネスバッグをオーダーメイドするということは、単なる“モノ選び”を超え、「自分の働き方を見つめ直すプロセス」とも言えます。既製品では叶わない細部へのこだわりを形にできるのは、大人の贅沢のひとつです。
時間とコストはかかりますが、それに見合う満足感と実用性を得られるのがオーダーメイドの魅力。自分だけの理想のビジネスバッグを、ぜひ一度検討してみてください。