リメイク | 使わなくなったバッグ・カバンを新しく甦らせる
今は使っていないけれど想い入れのある革製品。皆様もお持ちではないでしょうか。Livelty TOKYOは2019年に創業した革製品のオーダーメイドブランドです。
最近、我々のところに来るご要望として多いのが「革製品のリメイク」。 想い入れのある革製品を使えるように甦らせるサービスとして、お客様から大変好評を頂いております。
今回はこの「バッグのリメイク」についてご紹介をさせて頂きます。使わなくなってしまったバッグの新しい活用法になると思いますので参考にしてい頂けますと幸いです。
はじめに、Livelty TOKYOで手がけたいくつかのリメイクについてご紹介いたします。
一つ目が、 ルイヴィトンのスピーディー35をサイズの小さいサコッシュとフラグメントケースにリメイクしたケース。
昔は、荷物が沢山入ることが便利で使用頻度も高かったそうですが、最近は持ち運ぶ荷物も少なくなり活躍の場を失っていたようです。
キャッシュレスも進み大きいお財布も必要ではなくなってきたため、斜めがけにできるミニポーチとカードが数枚入る薄型のミニウォレットにリメイクさせて頂きました。
左:ルイ・ヴィトン スピーディー35(Before)
右:リメイクアイテム(サコッシュ、スマートラウンドウォレット)
二つ目、こちらもルイヴィトンのスピーディー35をスマホショルダーにリメイクしたケース。
ファスナーが壊れてしまった事で使う頻度が少なくなってしまったそう、リペアをするか迷われている時に弊店を見つけていただき、リメイクを知ったのだとか。
現状ではサイズが大きく、普段使いに向かない事からリペアではなくスマホショルダーにリメイクさせていただきました。
左:ルイ・ヴィトン スピーディー35(Before)
右:リメイクアイテム(スマホショルダー)
三つ目が、グッチのトートバッグをラウンドファスナーウォレットとスマホケースにリメイクしたケース。
お母様より譲り受けて使っていたそうですが、少しずつ劣化が進みトートバッグとして使うことが難しくなってしまったそうです。
お財布とスマホケースへのリメイクですが、お気に入りの花柄デザインを内装に使った世界で一つしかない革小物に甦りました。
左:GUCCI トート(花柄シリーズ)(Before)
右:リメイクアイテム(スマホケース、ラウンドファスナーウォレット)(After)
四つ目が、ルイヴィトンのWフェイスサコッシュをスクエアラウンドファスナーウォレットにリメイクしたケース。
前と後ろにフラップの付いたサコッシュ、マチがないため物の出し入れがしにくく使用頻度が減ってしまったのだそう。
コンパクトで容量の多いお財布をお探し中だった事もあり、スクエアラウンドウォレットをお選びいただきました。
左:ルイヴィトンWフェイスサコッシュ(Before)
右:リメイクアイテム(スクエアラウンドファスナーウォレット)(After)
バッグに限らず、お財布、名刺入れ、キーケースと思い入れのあるアイテムは、今は使わなくなったとしても捨てることはなかなかできないと思います。
クローゼットにしまわれているままであったり、デスクの引き出しにいれたままになっていたり。誰もがそのような経験をお持ちではないでしょうか。
この記事では、「今は使っていないけれど捨てられない、思い入れのある革製品」をどのように甦らせるのか。特にクローゼットにしまわれているままになっているバッグについて、再利用をする方法についてご紹介をしていきます。
愛用してきたけれど今は使わなくなったバッグ
みなさまはどのようにしていますか!?
小学校ではランドセル。中学、高校ではスクールバッグ。社会人になりスーツを着用する方は、ビジネスバッグ。最近ではカジュアルな装いも増えリュックを通勤鞄にする方も多いと思います。
また、女性にとってのバッグはファッションの一部として、お洋服に合わせてバッグを購入される方も多いのではないでしょうか。
このように、生活の必需品であるバッグ。もし、”使わなくなってしまったら??”
そのバッグ。今はどうなっていますでしょうか!?
何かしらの理由によりクローゼットにしまわれたままになっているバッグ。再活用するやり方がいくつかありますのでご紹介いたしますね。
革製品には人の想いがたくさん詰まっています
お誕生日やクリスマス、卒業祝いといったイベントでプレゼントとしてよく選ばれるのが革製品です。
小学校を卒業して中学校に進級するお子様へ、バスや電車に乗る機会も増えるしパスケースをプレゼントする。大切な方への誕生日プレゼント、何を贈ろうか考えていたところ、お相手がもっているお財布がふと目に入りすこしボロボロになっているのを気づいたため、お財布をプレゼントすることに決める。
革製品は人生の節目や大切な時期に人からいただくこともあるアイテムです。そこには相手を思いやる気持ちや使っていくなかでの経験など、人の想いが沢山詰まった素敵なアイテムだったりします。
使わなくなってしまったバッグは捨ててしまうのか?
プレゼントにも適している革製品。人の想いが詰まったアイテムを皆様は捨てることができるのでしょうか。
Livelty TOKYOを訪れる多くのお客様が、「ボロボロになってしまったけれど、どうも捨てることができないため今はクローゼットしまってあります」と言います。
この話を伺うと、”はじめて購入したレザーのビジネスバッグを思い出します。かなり重量はあるんですが、重厚なつくりでスーツに合わせるとビシっと決まり、スタイルを一段も二段も格上げしてくれる存在で、長年愛用していたアイテムでした。今では、スーツを着ることも少なくなってしまったので、出番がない状態ですが、奮発して購入したレザーバッグ。愛着もあるので、クローゼットの奥底で大切に保管されています。”
私も、お客様と同じで、捨てられなく、取っておいてしまっているアイテムがいくつもあるのに気がつきました。
お父様が愛用していたキーケースを大切に使い続けたいという想いから キーケースを包むカバーを製作した事例
中古品として販売する!?
最近、日本の夏は災害級に暑く、猛暑日(35度を超える日)が珍しいものでもなくなりました。また、ゲリラ豪雨や落雷、線状降水帯などの異常気象も昔に比べて多くなりました。
環境破壊による地球温暖化。これは産業の発展の裏で起こってきた大きな問題です。主な原因はCO2の排出による大気汚染。新しく何かを製造する際に排出するCO2、これが一番の原因と言われています。”新しいモノを作り出す” この行為が必ずしも人々を幸福にすることではないということです。
“環境破壊を抑え持続可能な社会を目指す” サステナブルという意識が浸透し始めたこともあり、アパレルに限らずモノを捨てずに再利用しようという考え方が定着しています。
メルカリやヤフオク、リユースを扱うショップも年々増加しており、皆様も何かしら使った経験があるのではないでしょうか。ブランドバッグも非常に多く扱われており、エルメスなどのラグジュアリーブランドは正規価格よりも高値がつくケースも散見されています。
使わなくなったバッグ。リユースマーケットでの販売価格を一度確認してみるのもいいのではないでしょうか。イニシャルなどの刻印がされているアイテムは販売価格が落ちるようですので、その場合はリメイクをお勧めいたします^^
パーソナライズドされたアイテムのリメイク事例
左:ルイ・ヴィトン 長財布(before)
右:リメイクアイテム(Lジップウォレット)(after)
修理(リペア)をして再利用する!?
Livelty TOKYOではオーダー、リメイクの他に、修理(リペア)も幅広く対応させて頂いております。弊社にお持ち込みになる修理要望で多いのが、”ラグジュアリーブランドのリペア”。
駅前や商店街、ショッピングモールに、靴と鞄の修理店が多く存在していますが、ラグジュアリーブランドはリスクが高いため対応をお断りされることがあるようで、”何店舗か聞いて回った結果、Livelty TOKYOでしか引き受けてくれなかった” と言われたことが何度もあります。
ラグジュアリーブランドのつくりは、緻密で精巧につくられているため、その製品を修理するには知識・技術ともに高いレベルが求められます。また、リユース市場で数百万円という価格で取引きされるブランドもあるため、失敗が許されないリスクを伴う案件がゆえ断ることも多いようです。
※Livelty TOKYOがラグジュアリーブランドのみ対応しているわけではございません。ブランドのしばりなく、バッグ、小物であれば全てのアイテムを対応させて頂いております。
①持ち手の修理
左:TOD’Sトートバッグの持ち手交換事例(before)
右:TOD’Sトートバッグの持ち手交換事例(after)
根元に負荷が集中したことで切れてしまったため、類似色で、より柔軟性の高いカーフレザー(仔牛)で修理。また、補強を考慮して1ミリ程度太くお作りしています。
②底・角の修理
③ファスナーの修理
④汚れ落とし・経年変化の補修
左:レジャージャケットの染め直し(before)
右:レジャージャケットの染め直し(after)
レザージャケットが経年劣化により色が褪せてしまったため、ジャケット全体をリカラーした事例
⑤ヘタリの修理
リメイク(リフォーム)をして再利用する!?
“バッグ(鞄)のリメイク”と聞いてどのようなサービスなのか、想像がつきますでしょうか?
建設業界では “リフォーム” であったり、 “リノベーション”が広く知れ渡っていますので、リメイクも ”新しく作り直す” ことを想像されるのかなと思います。
住宅であれば、”壁を取り壊して空間を広く使いたい”であったり、”新しい設備に入れ替えたい” などの要望も想像が出来ますし、WEBで検索をすると多くの事例が出てくるため、リフォームする際に要望を伝えるのも、やりやすいのかなと思います。
では、”バッグのリメイク” はいかがでしょうか。漠然としたイメージはあるけど具体的にどうすればいいか想像することが難しいのではないでしょうか。
それは “バッグのリメイク “ を手掛けている企業がほとんど無く、世の中に事例が少ないのが原因なんです。アパレル業界は、コストを抑えるために海外の労働力、大量生産が基本です。お客様の要望を一品一品実現するリメイクは、国内の生産背景、オーダーメイドを手掛けているような企業でないと実施することが難しいため、提供できる企業がほとんどいません。
Livelty TOKYOは国内でも珍しく、リメイクを手掛けている企業です。皆様のイメージがわくように、多くの事例を提供していきたいと思います。
リメイクには、元のデザインを活かした “リフォーム” と、新しいモノに作り直す “リメイク”の2つのサービスがございます。事例を交えながらサービスの違いをご紹介していこうと思います。
[リフォームの事例]
今使っているデザインは気に入っているが、使い勝手を良くしたい。このような機能性をあげるようなご要望がリフォームとなります。
左:GUCCIトートバッグ(before)
右:GUCCIトートバッグをショルダーバッグにリメイク(after)
[リメイクの事例]
お持ち込み頂くバッグを解体し、新しいデザインのアイテムに作り直すことをリメイクと言います。
Livelty TOKYOはこのリメイクをさらに洗練させ、世界中から厳選した新しい素材をMIXした「カスタム&リメイク」という名称でサービスを提供しております。
使わなくなったバッグを新しく蘇らせる方法
カスタム&リメイクをお勧めする理由
Livelty TOKYOは、オーダーメイド専門のブランドです。お客様には上質な商品を提供できるように、世界中から厳選した素材をいくつも取り揃えています。この上質な素材と、お客様からお持ち込み頂くバッグの素材をMIXして弊社製品にカスタマイズすることを「カスタム&リメイク」と呼んでいます。
出来る限り多くのパーツをバッグからリメイクして欲しいというご要望を頂くため、可能な範囲で対応をさせて頂いておりますが、お持ち込み頂くバッグは、長年使われていることもあり、傷み・歪みが少なからずあります。
部分的にでも新しい素材を取り入れることで、愛用してきた想いも残しつつ、新品に近い状態を作り上げる。
せっかくリメイクをするのであれば、長く使って頂きたい。そのような想いもあり、「リメイク&カスタム」をご提供しております。
リメイクオーダーの流れと依頼する際のポイント
[リフォームの場合]
今のデザインを活かし使いやすくするリフォーム。
”サイズを小さくして欲しい”
”ショルダーベルトを長くして欲しい”
”ハンドルの長さを調整できるようにして欲しい”
どれもリフォームです。
リフォームは、今使われている素材や縫製を活かすため、商品の傷みや劣化が気になるポイントです。
例えば、サイズを小さくするリフォームの場合、縫われているステッチをほどき、解体されたパーツを小さくして、再度組み上げるという手順を踏みます。劣化が進行している素材の場合、組み上げた際にひび割れ、破れが酷くなるケースもあります。
特に注意が必要な素材がPVC(ビニール加工がされた合成皮革)と呼ばれる素材です。
湿気の多い環境で保管していた場合、表面のビニールが硬くなり、ひび割れや剥がれが発生します。これを加水分解と言い合成皮革の場合は必ず発生します。湿気がこもりがちなクローゼットにながく置いておくと見た目では判断が出来ない劣化が進行していることもあったり。
実は、ルイヴィトンのモノグラムもPVC加工が施された合成皮革となり、保管状態によってはひび割れが発生します。特に、バッグの端から劣化が始まりますのでリフォームをご希望される場合は一度、状態を確認してみるのがいいかもしれません。革を摘んでみてヒビ割れが確認されなければ問題のない状態と言えます。
※Livelty TOKYOのカスタム&リメイクは、劣化が進んでいるバッグであっても、加水分解が発生していないパーツを選んで製造することが出来ますので、状態が心配の場合はリメイクをお勧めします。
Livelty TOKYOが考えるモノづくり
モノを大切にする
Livelty TOKYOは2019年に創業したオーダーメイド専門のブランドです。受注生産にこだわり、お客様が抱える個別の要望を実現するために、一品一品、国内の熟練職人により縫製を行っております。
戦後の高度経済成長の時代は、モノが不足していたため、アパレル業界はつくれば売れるという時代とともに成長を遂げました。この時代は大量生産すればするだけ売れたと聞きます。
そして、時代が変わり、バブル崩壊以降はモノで溢れ、つくっても売れない時代へと変貌を遂げます。しかしながら、売り手は、過去の成功体験により大量生産をやめることはありませんでした。その結果、大量の廃棄をうむ業界になってしまいました。
この大量生産、大量廃棄は前述したとおり、CO2を大量に排出しますので大気汚染に繋がります。
近年では、サステナブルの意識が広がったことで、ビーガンな素材でモノづくりをしている企業も多く見受けられます。しかし、素材が変われど大量生産をし売れ残れば同じです。
アパレルは必要なモノを必要なだけ生産する。そして、モノを大切にし、長く使えるような取組みが本当のサステナブルな取組みだと考えています。
個性を大切にする
ひと昔前のファッションは、皆、同じトレンドを追いかけ街中で同じような格好をしている人を多く見かけました。テレビと雑誌が強く、トレンドの発信元となっていました。
2000年を超え、インターネットやSNSが普及し始めると、個人が自由に情報を発信できるようになったこともあり、画一性の流行よりも価値観の多様化や個性を重視するような考え方に変わってきました。
表現の自由。一人一人の個性を表現することが大きなトレンドだと思います。Livelty TOKYOは、非効率と言われる受注生産に特化したブランドです。大量生産では実現できない個性を最大限表現できるように、一人一人の要望を叶えるブランドでありたいと思っています。
想いを紡ぐ
親から子へ。昔使っていたバッグをお子様に譲ることも増えてきているようです。特に娘様がいる親御様は、母が使っていたバッグを娘が譲り受けるという話を良く聞きます。
リメイクは、この人から譲り受けたアイテムを今の時代に合ったアイテムに蘇らせるサービスです。
昔使っていた母の想い、そして譲り受けたお子様の想い、リメイクは想いを紡ぐお手伝いができるサービスだと考えています。
人の想いを時代を超えて残していく。Livelty TOKYOは、そのお手伝いができれば嬉しい限りです。
左:おばあちゃんから譲り受けたイビザのバッグ(リュック)(before)
右:スマホショルダーにリメイク(after)