はじめてのオーダーメイド|革製品(革小物・財布・バッグ)でできること、費用と進め方

「好みに合う財布が見つからない」「大切な人に、特別な革小物を贈りたい」。そんなとき、革製品のオーダーメイドは選択肢の一つになります。
オーダーメイドといっても、すべてを一から考える必要はありません。お店のサンプルから形を選び、革や色を変える方法もあります。まずは、欲しいものに近い型があるかを探すこと。それだけでも、費用や完成イメージをつかみやすくなります。
この記事では、Livelty TOKYOの製作事例を交えながら、オーダー方法の選び方と、費用・納期が決まる理由をお伝えします。
革製品のオーダーメイドは、大きく2つの方法があります
革小物・財布・バッグのオーダーメイドは、大きく「カスタムオーダーメイド」と「フルオーダーメイド」に分かれます。
| 方法 | 何をもとに作るか | 向いているご希望 |
|---|---|---|
| カスタムオーダーメイド | お店にある型を使い、素材やカラーなどを選ぶ | 好きな形はあるけれど、革や配色にこだわりたい |
| フルオーダーメイド | ご要望に合わせて型紙から設計する | 市販品にない構造や、使い慣れた独自の仕様を実現したい |
この中間にあるのが、既存の型を部分的に変更する「スペシャルカスタムオーダー」です。呼び方や対応範囲はお店によって異なるため、名称だけでなく、どこまで変更できるかを確認しましょう。
フルオーダーの例:使い慣れた二つ折り財布を新しく
お祖母様が長年愛用されている財布と同じデザイン・仕様で、新しい財布を贈りたいというご依頼です。複数のお店で製作が難しいといわれた後、Livelty TOKYOへご相談いただきました。
使い慣れた収納や構造を確認し、一から製作する方法を選びました。「新しい機能を増やす」だけでなく、「今の使い勝手を受け継ぐ」こともフルオーダーの目的になります。


フルオーダーの例:容量と見た目を両立するカードケース
カードが増え、使用中のケースの形が崩れてきたことから、容量がありながらスマートに見えるBOXカードケースをご依頼いただきました。素材にはクロコダイルのポロサスを選び、必要な収納と素材の表情を考えて仕立てています。
「何枚入れたいか」と「どの程度すっきり見せたいか」を一緒に考えることが、形を決める出発点です。


スペシャルカスタムの例:名刺入れにパスケースの機能を追加
パスケースとしても使える窓付きの名刺入れを探していたお客様には、Livelty TOKYOの既存モデルを部分的に変更して製作しました。革は、鮮やかなグリーンのシェーブルをご選択いただいています。
既存の型に近いものがあれば、すべてを新しく設計しなくても、ご希望を実現できる場合があります。まずは商品のサンプルや過去の事例を見比べてみてください。


フルオーダーメイドは、イメージを形にできるお店を選ぶことが大切です
フルオーダーメイドは、お客様のこだわりを、実際に使える構造へ置き換えていく仕事です。見た目が希望どおりでも、カードが取り出しにくい、収納すると閉じにくいといった状態では、使いやすい製品にはなりません。
お店を選ぶ際は、製作事例の数だけでなく、自分の希望に近い構造を作っているか、要望に対してどのような工夫をしているかを確認しましょう。財布なら収納と厚み、バッグなら重さや持ち方など、完成写真と一緒に製作内容も見ると判断しやすくなります。
さまざまな事例があるお店は、複雑な仕様に対して、できることと難しいことを具体的に説明しやすいという利点があります。ただし、実績が多ければ必ず希望どおりになるわけではありません。相談時に、変更によるメリットと使い勝手への影響まで説明してもらえるかも大切です。
費用が高くなるのは、1点分に開発の仕事が含まれるため
通常の商品開発では、型紙の設計や試作にかかった費用を、複数の商品を販売することで回収できます。一方、フルオーダーは、その1点のために設計・試作・修正を行います。
さらに、こだわりを盛り込むほど、一般的な製品より構造が複雑になることもあります。そのため、材料と縫製の費用だけでは価格を決められません。
費用を考える際は、通常製品の3倍前後になるケースもあると見込んでおくと、予算を検討しやすくなります。 ただし、これは一律の相場や料金ではありません。比較する製品の素材・構造、設計の難しさ、試作の範囲によって大きく変わり、実際の費用は仕様を検討した後に見積もります。
安価なフルオーダーを見つけた場合も、価格だけで品質が悪いと決めつけることはできません。ただ、1点分の開発費が必要な以上、安くできる理由は確認したいところです。
- 本当に型紙から新しく作るのか、既存の型を活用するのか
- 革や金具は、どのようなものを使うのか
- 試作や仕様修正は、どこまで費用に含まれるのか
- 完成前に、何を確認できるのか
予算が合わないときは、素材や仕上げを妥協する前に、既存モデルを活用できないか相談することをおすすめします。
欲しいアイテムのイメージが具体的なほど、認識の違いを減らせます
オーダーメイドの仕上がりは、製作する側の技術だけでなく、「何を作りたいか」をお互いに共有できているかにも左右されます。
たとえば「薄い財布」という言葉だけでは、空の状態で薄いものか、カードや現金を入れても膨らみにくいものかが分かりません。見た目の希望に加えて、持ち物と使い方を伝えることが大切です。
相談前には、次の内容を整理してみてください。
- 入れるもの: カードの枚数、紙幣や小銭の量、バッグなら収納する物の寸法
- 使う場面: ポケットに入れる、仕事で持つ、小さなバッグに収めるなど
- 残したい使い勝手: 開く向き、ポケットの位置、持ち手の長さなど
- 変えたいこと: 厚さ、重さ、出し入れしにくい箇所など
- 優先順位: 必須の条件と、予算に応じて変更できる条件
Livelty TOKYOでは、WEBで見つけた好みのアイテムを参考にしたり、AIでイメージ画像を作って相談されたりするお客様が増えています。
参考画像は、形や配色を伝える助けになります。ただし、AI画像は革の厚みや縫い代、開閉の仕組みまで成立しているとは限りません。画像は完成を保証する設計図ではなく、相談の出発点として使い、実際に製作できる構造へ調整していきます。
形への強いこだわりがなければ、カスタムオーダーをおすすめします
「好きな革と色で作りたい」「自分らしい配色にしたい」というご希望なら、カスタムオーダーでも十分に実現できます。形は気に入っていて、機能を一部だけ変えたい場合は、スペシャルカスタムオーダーが候補になります。
繰り返し作っている型には、品質を安定させやすい利点があります
革製品は、機械を用いる工程でも、人による素材の判断や調整が欠かせません。革の厚みを整える漉き加工、パーツの重なり、縫製時の扱いなど、職人の経験と慣れが仕上がりに関わります。
お店で繰り返し製作している型には、こうした調整の経験が蓄積されています。完成したサンプルで、サイズや開閉、収納の感覚を確かめられる点も利点です。
新しい型が必ず劣るということではありません。ただ、新しい構造では、試作を通して同じように調整を重ねる必要があります。形を一から変える理由がなければ、作り慣れた型を使う方が、品質・費用・完成イメージのバランスを取りやすいと私たちは考えています。
カスタム事例①:ネイビーとブラックのミニ財布
スマートラウンドウォレットを、ネイビーとブラックで仕立てた事例です。表のポケットにシボ感のあるブラックの革を合わせ、近い色調でも素材の違いを楽しめる組み合わせになりました。


カスタム事例②:薄型ロングウォレットのスペシャルカスタマイズ
ミニ財布とは異なる形の例として、薄型ロングウォレットのスペシャルカスタマイズをご紹介します。長財布をお探しの方も、まずは希望に近いモデルから検討できます。
薄さを重視する場合は、外形だけでなく、普段入れるカードや紙幣の量も合わせて相談しましょう。既存モデルで満たせる条件と、変更したい部分を分けて考えると、必要なカスタマイズを整理しやすくなります。


フルオーダーの依頼資料は、何を伝えるとよい?
フルオーダーを選ぶ場合も、専門的な図面をご自身で描く必要はありません。参考写真に「この部分が好き」「ここは変更したい」と書き込み、入れたいものや希望寸法を添えるだけでも、打ち合わせが進めやすくなります。
財布なら、閉じた外観だけでなく、開いた内側の配置も共有しましょう。バッグなら、正面に加えて、側面の厚みや持ったときの位置が分かる資料が役立ちます。細部まで指定することより、譲れない条件をはっきりさせることが重要です。
要確認:過去にお客様が作成された依頼資料2件の掲載許諾と内容。資料で伝えられた希望と、実際の設計で調整した点を併せて紹介します。
納期は3〜6か月を目安に。時間がかかるのは、縫製よりも準備と検討です
型紙の設計や試作を伴うフルオーダーメイドは、3〜6か月程度を検討の目安にしてください。ただし、仕様、材料の調達、受注状況によって前後し、カスタムオーダーでは工程が異なります。確定した納期は、相談時に確認が必要です。
財布や革小物では、最後の縫製自体は1〜2日で完了することもあります。それでも数か月かかるのは、本製作に入る前に、ご要望を整理し、材料をそろえ、試作で構造を確かめるためです。
フルオーダーメイドの流れは、大きく8段階
- ご要望をまとめる
欲しい形、使い方、収納するもの、予算、希望時期を共有します。 - 仕様を検討する
素材や構造、製作範囲を検討し、見積もりをご案内します。必須の条件と予算のすり合わせも、この段階で行います。 - 決済する
ご提案内容、費用、納期などに合意したうえで、決済へ進みます。 - 材料を仕入れる
製作に必要な革や金具などを準備します。材料の手配状況も納期に影響します。 - 図面を設計する
寸法やパーツの組み合わせを決め、型紙を設計します。 - プロトタイプを製作する
試作で、形や収納、開閉などが成立するかを確認します。 - 図面を修正する
試作で分かった課題を反映し、本製作に向けて品質を高めます。 - 本製作する
決まった仕様で裁断・加工・縫製・仕上げを行います。
既存の型を使うカスタムオーダーでは、通常、新しい型の設計や試作を省けるため、必要な作業が変わります。
プレゼントなど渡したい日が決まっている場合は、最初にお知らせください。途中で収納や寸法を大きく変えると、再設計や材料の追加が必要になり、費用・納期に影響する場合があります。
Livelty TOKYOのカスタムオーダーメイドでできること
Livelty TOKYOでは、既存の商品をベースに、素材やカラーを選ぶカスタムオーダーをご相談いただけます。ネーム刻印も、贈り物やご自身だけの一品に仕上げる選択肢です。
まずは、サンプルから形を選びましょう
はじめての方には、たとえば次の2種類が検討の出発点になります。
| サンプル商品 | 確かめたい使い勝手 | カスタムの選択肢 |
|---|---|---|
| スマートラウンドウォレット | 外側ポケットの使い方、ファスナー収納部の容量、持ち歩く際のサイズ感 | 素材、パーツごとのカラー、ネーム刻印 |
| 名刺入れ・カードケース | 名刺やカードの収納量、開閉の感覚、取り出しやすさ | 素材、外側・内側のカラー、ネーム刻印 |
選べる素材や配色範囲、刻印の位置は、商品と革の仕様によって異なります。また、窓やポケットの追加など、型の変更を伴うご希望は、スペシャルカスタムとして別途検討します。
カスタムでも、十分にオリジナリティを出せます
落ち着いた配色にする、差し色を入れる、内外で印象を変える。 形を新しく設計しなくても、自分らしさを表現する方法はあります。ここでは、二つ折り財布、長財布、スマホケースの事例をご紹介します。
例①:2つ折りスマートウォレット BSW01_01
「2つ折りスマートウォレット BSW01_01」のカスタマイズ事例です。ミニ財布だけでなく、二つ折りタイプも、好みの形を探す際の候補になります。
素材や色を選ぶときは、完成品の全体の印象と、革そのものの質感を分けて考えてみましょう。落ち着いた印象にしたい場合には、色調を近づけながら素材の表情で違いを出す方法もあります。選べる組み合わせは、サンプルをもとにご相談ください。


例②:ロングウォレット(コインなし、オリジナル仕様)
こちらは、小銭入れを設けないオリジナル仕様のロングウォレットです。財布の個性は配色だけでなく、何を収納するかという選択にも表れます。小銭を別に持つ方なら、紙幣やカードをどうまとめたいかを出発点に考えられます。
長財布のカラーカスタムを検討するときも、全体を落ち着いた色でまとめるか、一部に差し色を入れるかで印象を変えられます。Livelty TOKYOではカラーシミュレーターも導入し、配色を考えやすくしています。画面上の色には実物との差があるため、質感や色味にこだわる場合は革サンプルも確認しましょう。


例③:開いたときに、違う色を楽しむ
Xperia 1 VI用の手帳型スマホケースでは、外側を深みのあるダークカラー、内側を赤みのあるカラーで仕立てました。機種に合わせた製作に加え、閉じたときと開いたときで印象を変える配色も、ご希望を表現する方法です。


まずは「欲しいものに近い型があるか」からご相談ください
革製品のオーダーメイドは、最初から仕様をすべて決めて依頼するものではありません。気になる商品や参考画像、今使っている財布・バッグの不満があれば、そこから検討を始められます。
Livelty TOKYOでは、既存の型を活かすカスタム、部分的に変更するスペシャルカスタム、一から設計するフルオーダーの中から、ご希望に合う進め方をご提案します。
「何を入れたいか」「どこにこだわりたいか」「予算と希望時期」をお聞かせください。必要以上に設計を複雑にせず、これから使いたい一品を一緒に考えていきましょう。